那須 朝日岳 東南陵バリエーションルートへ挑戦することになった
朝日岳に行ったのは2020年3月15日のこと。
いつもの事だが、ブログにするのにだいぶ時間が経ってしまった。
今回一緒に行くのは、だいちゃんと、マッキーだ。(以下、師匠Dと師匠Mと記する)

この2人とは以前にも一緒に山に登ったことがある。
何度か一緒に山に登って、話して「この2人なら信頼できるし、2人についていけば見れる世界が広がる」そう勝手に思った私は「一緒に雪山に行ってほしい」としつこく誘ったのであった。
一緒に山に行こうと誘ったのは私だが「バリエーションはどうなの?」と聞かれたときは正気か?このド素人を冬季バリエーションへ?クレイジーか?と思わざるを得なかった。
だが、私はもともとアルパインに強く憧れを持っていたので、これはチャンスじゃないか!ということで挑戦することに。
とはいえ、知識もなければ、体力もない、岩登りの経験はないし、そもそも高い所が大丈夫なのか分からない。しかも、アイゼンもピッケルも買ったばかりだ。
もはや不安要素しかない。
どう考えてもクレイジー。
しかし、そんな不安をよそに師匠たちは
「2人についていけば見れる世界は広がる」と思った矢先の出来事で、こんなにも早く実現するとは思ってもみなかった。
那須 朝日岳 東南陵バリエーションルート
2020年3月15日 日曜日
緊張で3日前からよく寝れない日々が続いた。
そりゃそうだろう、懸垂下降やら登攀の経験などないのだから。
しかし大丈夫!
予習はしっかりしてイメージトレーニングはバッチリ!
当日出発前にもう一度、天気予報を確認すると午前中が荒れる模様。
早速気持ちが折れそうになり、ビビりながら車を走らせた。
朝の7時前に大丸駐車場に到着し、師匠たちと合流する。
少し歩き身体を温めてから、師匠Mに懸垂下降の技術確認を親切丁寧にしっかりとしてもらった。

と言い聞かせるしかない。
さぁ、いざ出発だ。

なんだろう、、、やたら息が上がる。
よく考えたら雪道を歩くのすら慣れてないからなぁ。
雪道歩くのキツっ!!
そんなことを思いながら歩いていると朝日岳が見えてきた。

あの一番高いところが朝日岳山頂だ。
そして、その左側の尾根が東南陵のルートである。
写真や映像で予習はしたものの、実物を見ると腰が引けた。

途中の看板を目印に登山道を右側へ外し、バリエーションルートへの取り付きまでアイゼンなしで斜面を歩く練習をすることになる。

念のため私だけピッケルを使うことに。
何を隠そう、ピッケルデビューでございます。
笑える。
いや、笑えない。
師匠Dにピッケルの使い方と、アイゼンなしで斜面を歩く歩き方を教わりながら慎重に進む。
これがなかなか難しい。

私がモタモタしている間に天気はどんどん良くなり、東南陵に取り付く頃には快晴になっていた。
強風で有名な山らしいが、風も穏やかだ。
雪もすっかり止んだ。
神様が私に楽しんで行って来いと微笑んだとしか思えない。
心底感謝する。ありがとうございます。

アイゼンを装着し、師匠Mが先行し、師匠Dがピッタリ後ろからサポートしてくれた。

師匠たちはビビる私を見て楽しそうだった。

ここは門というところらしい。
ここは間を通る。
この後にトラバースがあるので、安全確保の為にロープを出してくれる。

師匠Mがトラバースにビビる私を撮って喜んでいる。変態め。

結構怖かったんだけど写真で見ると大したことないなぁ。

トラバースを超えるとギャップで懸垂下降だ。
ここも師匠Mが先行する。

ロープを投げる姿がイケメンだ。
そして師匠Mは、あっという間に下へと降りて行った。

続いて私の番。
師匠Dが補助ロープで補助しながらの懸垂下降だが、緊張でガチガチのコチコチ。
小鹿のように足がブルブル震えるかもと想像していたが、意外と怖いと思わなっかった。
バランスを崩さないように深呼吸しながら、ゆっくり下りる。
めちゃめちゃ時間がかかった。

最後に師匠Dの華麗な懸垂下降。
翼が生えてるかのように身軽に降りてきた。
鳥なのか?

右から降りてきたので、次は左へ登り返す。
記念すべき初登攀。
スパルタやね、、、。

師匠Mはヒョイヒョイ登っていく。
猿なのか?

私は登れるのか、、、。
不安しかない。
くそぅ!!!登るしかないじゃないか!!
上から見るとこの角度だ。
アイゼンを引っ掛ける場所が分からなくて時間がかかる。
途中、腕が張りへたれる。
師匠Mが上からロープを引っ張り、師匠Dが後ろから支えてくれたので何とか登ることが出来たが、腕がちぎれるかと思った、、、、。

ガレ場も初体験して、モリモリのフルコースで経験値アップ。

後ろを振り返れば絶景が広がる。
後ろに見えるのが日本百名山の茶臼岳だ。

山頂直下の登攀場所。

先ほどよりも楽に登れて安心した。

山頂に到着ーーー!!
(アックスはお飾り)

師匠たちと握手した。
足引っ張りまくってすみません!
でも最高の経験をありがとうございます!
いや、本当にちぎれなくて良かった。

山頂で記念撮影。
いい写真だ。

帰りは登山道で下山するが、景色が全く違くて驚く。
険しい岩道だったのが一変、美しい雪道だ。

東南陵から見る山頂とまた違う姿を見せてくれた。

とは言え、登山道もなかなか険しい道で、油断はできなかった。
峰の茶屋跡避難小屋を過ぎたあたりから緊張が途切れて気持ち悪くなり、腰が痛くなってきた。
いやぁ。ハードだった。
体力ないなぁ、悔しい。
おわりに
初めてのバリエーションルートが積雪期であったり、まあ色々と経験する前に順番をすっ飛ばしてるのは自分でも分かっている。
とんでもない世界に足を踏み入れてしまったなぁ。とも正直思う。
だがしかし、魂震えるほど楽しかった。
大人になってから、こんなにも楽しいと思えるものに出会えるというのは稀なんじゃないかと思う。
こんなにもワクワクドキドキできるものと出会えて私は幸せだ。
もっと挑戦したい。そう思った。
私の目標は師匠2人の後を引っ張ってもらいながらついていくのではなく、共に並んで歩きたい。
その為には、体力をつけて、必要な技術を覚えていかないとならない。
私なら出来る。
さて、次はどこの山へ遊びに行こうか。
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